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住宅ローンの審査はどう進む?審査の流れと審査のポイントを確認

住宅ローンの申込時に審査でどのような点が見られるのか、そして承認されるのか不安と感じる人は多いのではないでしょうか。本記事では住宅ローンの審査がどのように進められるのか、さらには審査のポイントについても解説します。


目次

  1. 住宅ローン申込から審査までの流れを確認
  2. 住宅ローン審査のポイント
  3. 住宅ローン審査に通るためにできることとは?

住宅ローン申込から審査までの流れを確認

住宅ローン審査について、住信SBIネット銀行「住宅ローン(WEB申込コース)」の例を元に申し込みから審査、契約までの流れをご紹介します。

  1. 仮審査の申し込み
    住信SBIネット銀行のホームページから仮審査の申込フォームへ進み、必須事項を入力します。
  2. 仮審査結果通知
    仮申込当日から3営業日以内に仮審査結果のお知らせがメールで届きます。口座がない場合はメールに記載のURLより口座開設手続きを行いましょう。
  3. 正式審査書類の送付
    仮審査結果通知から2営業日後に正式審査申込書類がご自宅に郵送されます。
  4. 団信申込手続き
    団信(団体信用生命保険)の申し込みを行います。申し込みの際は、仮審査時に通知されている相談番号も必要です。
  5. 正式審査
    正式審査申込書類に記入し、必要書類と共に提出します。主な必要書類は、以下の通りです。
    • ※ 下記でご紹介するのは新築住宅購入かつ他に借り入れがない場合のものです。お申込み内容によって必要書類は変わります。
    本人確認書類
    • 健康保険証
    • 住民票または住民票記載事項証明書(発行1ヵ月以内、入居予定者全員のもので続柄記載必須)
    • 在留カードまたは特別永住者証明書(外国籍の方)
    所得証明関係書類
    会社員公務員等で給与所得のみの場合
    • 源泉徴収票(直近1年分)
    • 住民税決定通知書または収入金額記載の住民課税証明書(直近1年分)
      • ※ 昨年、または今年転職した場合などは、別途必要書類あり
    物件関係書類
    • 売買契約書
    • 重要事項説明書
    • 工事請負契約書
    • 建築確認済証または建築確認通知書
    • 建築確認申請書
    • 検査済証
    • 間取りが分かる平面図または間取り図
  6. 正式審査結果通知
    正式審査が終了するとメールで連絡が来ます。メール記載のURLから専用WEB画面にログインいただき、借入手続のご案内記載の貸出条件など詳細を確認しましょう。
  7. 契約手続き
    契約はWEBで行います(一部、書面による契約が必要なケースもあります)。契約内容の最終確認と契約手続きは、借入希望日の5営業日前の13時までに行います。

住宅ローン審査のポイント

国土交通省の「令和2年 民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、金融機関が融資を行う際に考慮する項目として挙げられているのは、次のようなものです。

  • 完済時の年齢
  • 物件の担保評価
  • 収入・勤続年数など

完済時の年齢

住宅ローンの申し込みができるのは「20歳以上65歳以下」、完済時年齢についても「80歳未満」など、金融機関ごとに申込条件があります。各金融機関で決められている年齢の範囲内であれば申し込み自体はできますが、このケースでは仮に65歳で申し込みをした場合、融資期間は最長15年となります。

20~30代の申し込みであれば、完済時年齢の上限までに期間の余裕があります。しかし、申込年齢が高くなるほど完済までの期間が短くなるため、毎月の返済額が多くなる可能性があるでしょう。また、申込年齢が高くなるほど退職後の住宅ローン残高が大きくなりますので、確実に完済できるかどうかを厳しく審査されるようです。


物件の担保評価

万が一住宅ローンの返済が続けられなくなった場合、金融機関が担保としている物件を売却し、売却金が返済に充てられるケースがあります。そのため、購入する物件にどの程度の担保価値があるかも審査のポイントとなります。借入金額に対し担保価値が低い場合は審査に通過できない可能性もあります。


収入・勤続年数

金融機関側が住宅ローン契約で最も重要視するのは、「きちんと完済できるのか」という点です。例えば、借入希望金額に対して年収が低かったり、不安定であったりする人は、それだけ審査も厳しくなってしまいます。また、異業種への転職や起業したばかりの人も将来の収入や勤務状況が見えにくいため、審査が厳しくなる傾向にあります。

住宅ローンの審査でチェックされる代表的な内容をご紹介しました。金融機関によっては、審査通過が厳しい場合でも金利をいくらか上乗せしたり保証会社を利用したりすることで承認されることもあるため、申込時に確認してみましょう。

  • ※ 保証会社とは:保証会社は住宅ローン契約者が返済できなくなった場合、契約者に代わり金融機関へ残っている住宅ローンの一括返済を行う。住宅ローン契約者は、金融機関への返済義務はなくなるが、債権者が金融機関から保証会社へ移るだけなので、新たに保証会社への返済義務が発生する。

健康状態団体信用生命保険の告知も必要

団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローン契約者が死亡・高度障害状態になった場合、支払われる保険金で住宅ローン残高を相殺できる保険です。住宅ローン契約時は、団信への加入が必須となっている金融機関も多く、住宅ローンの申し込みと並行して団信加入のために健康状態の告知が求められます。

そのため、健康状態に問題があり、団信に加入できない場合は住宅ローン契約を断られる可能性もある点は押さえておきましょう。


住宅ローン審査に通るためにできることとは?

住宅ローン審査でチェックされるところを把握したうえで、審査に通過するためにできることも考えてみましょう。


転職・起業したての時期に申し込まない

金融機関によっては、申込条件の中に「勤続年数2年以上」など具体的な内容を盛り込んでいる場合もあります。そのような項目がない場合でも、異業種への転職や起業したての時期の申し込みは避けたほうがいいでしょう。収入が安定しているとはみなされず、審査が厳しくなる可能性があります。


完済までの期間をよく考える

住宅ローン完済時の年齢もチェックされています。例えば、80歳までの完済が認められている場合でも、退職後の返済負担などを考慮して可能な限り早く完済できるように設定したほうがいいでしょう。無理のない返済計画かもよく考えてから申し込んでください。


他の借入状況もチェック

カードローンや学資ローンなど、他の借り入れが多い場合も要注意です。住宅ローン審査では、他の借入状況についても確認されます。他の借り入れがあり毎月の返済負担が大きい場合は、住宅ローン返済が厳しくなると予想され、審査に通りにくくなる可能性もあるでしょう。

住宅ローン審査時には、個人信用情報機関での信用調査も行われます。他の借り入れで延滞の経験があったり、信用情報に金融事故の履歴が残っていたりする場合は、返済能力が低いとみなされ審査通過が難しくなると考えておきましょう。


返済比率(返済負担率)を考える

年収に対して借入金額が大きい場合、毎月の返済負担は重くなるため、審査に通りにくくなります。そのため、住宅ローンの申し込みをする際は、返済比率(返済負担率)を意識しましょう。返済比率とは、年収に占める年間返済額の割合です。

一般的には、25%以内に抑えることが望ましいといわれています。また、返済比率から毎月の返済額を計算し、借入可能額を算出できます。

例えば、年収500万円で返済比率25%の場合、年間返済額は125万円(ボーナス返済なし)、毎月の返済額は約10万4,200円です。35年ローンを組む場合、約4,055万円が借入可能額の目安となります。

  • ※ 住信SBIネット銀行「ネット専用住宅ローン」2022年3月1日時点の変動金利の年0.44%で計算。ボーナス払いは「なし」としています。

まとめ

住宅ローンの審査で重視されるのは、「完済できる能力があるか」という点です。そのため、「完済時の年齢」「収入や勤務状況」などが審査のポイントとなっています。

また、万が一返済できなくなった場合のために物件の担保評価も重要な要素のひとつです。ちなみに、金融機関によっては金利がいくらか上乗せされるものの、保証会社を利用することで審査に通る場合がある点は、覚えておきましょう。

なお、これら審査項目に問題がなくても、無理しないと返済できないような借り入れはおすすめできません。そのため、家計の収支や将来のライフプランを見据えた無理のない返済計画を立てましょう。

◆氏名
田尻宏子(たじり・ひろこ)

◆保有資格
2級FP技能士
証券外務員第一種

◆プロフィール
複数の金融機関での勤務経験や証券外務員第一種、ファイナンシャル・プランニング技能士2級の資格を活かし、金融関連専門のライターとして活動中。生損保・不動産・ローンの情報を中心に「誰でも分かりやすい記事をお届けする」をモットーに執筆。

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