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私はいくら借りられる?年収から考える住宅ローンの借入額

住宅ローンの借入可能額は、年収によって大きく変わります。住宅の購入を検討している方の中には「自分の年収ではどのくらいまで借りられるのだろう」「無理なく返済できる金額を知りたい」と悩む方もいるのではないでしょうか。

住宅ローンは、一般的に長期間返済が続くため、大きなライフイベントが発生したり、家族構成が変わったりしても、無理なく返済し続けられる金額を把握しておくのが大事です。

本記事では、年収に対する住宅ローンの借入金額の目安や、理想とすべき返済負担率、借入金額を決める際に考慮すべきポイントなどを詳しく解説します。
自分がどのくらいの住宅ローンを組めるかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。


目次

  1. 住宅ローンと年収の関係性について
  2. 年収別 住宅ローン借入可能金額シミュレーション
  3. 住宅ローンの借入シミュレーションをやってみよう
  4. まとめ

住宅ローンと年収の関係性について

住宅ローンを借りる際は、審査があります。金融機関は、申込人の年収や年齢、勤続年数、他社での借入状況などさまざまな項目を確認して、総合的に融資の判断を行います。

特に、「年収」は住宅ローンの借入金額を決定するのに重要な要素です。借入希望額に対して十分な収入があるかどうかで、返済遅延の起こりにくさを判断します。

ここでは、住宅ローンで借りる金額と年収の関係性について、どのように考えていくべきかを紹介します。年収に対してどのくらいの金額を借り入れ目安にすればよいのかも具体的に確認していきましょう。


住宅ローン借入可能金額は年収の5〜7倍を目安に

住宅ローンの借入額の目安は「年収の5〜7倍以内」が望ましいと言われています。例えば、年収600万円の人であれば、3,000万円〜4,200万円が借入金額の目安となります。ペアローンを検討する場合は、夫と妻の年収を合計して計算してみましょう。

ただし、この年収倍率はあくまでも目安です。実際の借入時には金融機関ごとに、さまざまな指標をもとにして試算を行い、総合的な判断によって申込者の借り入れ金額を決めていきます。そのため、申し込む金融機関によって借り入れ可能額も変わってきます。

住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、フラット35を利用している人の年収倍率の平均は下記のとおりです。ここでは、住宅購入の所要資金を世帯年収で割った数値を年収倍率としています。

住宅の種類 2021年度 2022年度
土地付き注文住宅 7.5倍 7.7倍
マンション 7.2倍 7.2倍
建売住宅 7.0倍 6.9倍
注文住宅 6.8倍 6.9倍
中古マンション 5.8倍 5.9倍
中古戸建 5.7倍 5.7倍

土地付き注文住宅やマンションでは年収倍率が7倍を超えるなど、高い傾向にあります。また、2021年度と2022年度を比べると、全体的に年収倍率は微増しています。近年の不動産価格の上昇が、年収倍率にも影響を与えていると考えられます。

ただし、上記のデータは、あくまでも年収に対して購入した物件の価格が何倍であるかを表したものです。住宅ローンで借りる金額を考える際は、自己資金や諸費用なども考慮した上で、検討する必要があります。


返済負担率について

住宅ローンの借り入れ金額について検討する場合は「返済負担率」にも注目しましょう。返済負担率とは、年収に対して住宅ローンの返済額がどのくらいになるかを表したものです。

一般的に、返済負担率は25%以下に抑えると、無理なく返済ができると言われています。例えば、年収600万円の人の場合は、年間の返済額が150万円、毎月の返済額が12.5万円以下であれば、普段の生活に支障が出ずに住宅ローンを返済できると言えるでしょう。

以下は、住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者の実態調査」による利用した金利タイプ別の返済負担率の利用者割合を表にまとめたものです。

返済負担率 変動型 固定期間選択型 全期間固定型
10%以内 10.9% 9.5% 13.0%
10%超15%以内 21.4% 23.0% 15.7%
15%超20%以内 25.0% 23.7% 22.2%
20%超25%以内 20.2% 21.5% 15.7%
25%超30%以内 9.8% 10.6% 14.8%
30%超35%以内 7.4% 5.8% 9.3%
35%超40%以内 3.6% 4.0% 5.6%
40%超 1.6% 1.8% 3.7%

調査結果を見ると、いずれの金利タイプでも、返済負担率「15%超20%以内」の割合が最も高いことがわかります。「10%超15%以内」と「20%超25%以内」は、ほぼ同水準です。
返済負担率が25%以内に収まっている割合は、変動型で77.5%、固定期間選択型で77.7%、全期間固定型で66.6%となっています。


年収以外に気にしておきたいポイント

住宅ローンの審査にあたっては、年収以外の要素も借入可能金額の判断に影響します。
特に、頭金をいくら用意するかによって返済負担や審査の通りやすさが変わります。頭金としてまとまったお金を支払えば、その分金融機関から借り入れる金額が少なくなるため、月々の返済金額の負担も小さくなります。

頭金として支払う金額に一定のルールはありませんが、物件購入費用の1〜2割を支払うケースが多いと言われています。最近では頭金によって住宅ローンの金利が下がる金融機関も存在します。緊急時の支出にも対応できるよう、手元にある程度のお金は残した上で、頭金の金額を検討しましょう。

また、住宅ローンの契約者の年齢も審査や返済負担の大きさに影響します。住宅ローンの申し込みにあたっては、多くの金融機関で完済時年齢を80歳未満としています。条件に当てはまらなければ申し込みができないため注意しましょう。
なるべく早く返済できるようにと返済期間を短く設定した場合、その分毎月の返済額は大きくなります。無理な返済計画を立ててしまうと、将来的に返済が厳しくなってしまう可能性もあるため、余裕を持って返済できるように計画を立てましょう。

最後に、住宅ローンの借り入れには、事務手数料や保証料、登記関連費用などの諸費用が発生することも忘れてはいけません。人によっては数十万円〜100万円以上もの負担となるため、どんな費用がどのくらいかかるのかもあらかじめ確認しておくのをおすすめします。


年収別 住宅ローン借入可能金額シミュレーション

住宅ローンの借入可能金額について、年収別に目安金額を紹介していきます。
変動金利年0.5%、35年間、元利均等返済、ボーナス返済なしのローンを組んだ場合、返済負担率20%・25%・30%でそれぞれどのように金額が変わるかを確認していきましょう。

なお、ここでは金利は完済まで変わらないものとし、手数料や登記関連費用などの諸費用は考慮しないものとします。


年収300万円の場合の借入シミュレーション

年収300万円のケースでの、借入金額および毎月・年間・合計の返済額シミュレーションは下記のとおりです。

返済負担率20% 返済負担率25% 返済負担率30%
借入金額 1,920万円 2,420万円 2,880万円
毎月返済額 5万円 6.3万円 7.5万円
年間返済額 60万円 75万円 90万円
総返済額 2,100万円 2,625万円 3,150万円
  • ※ 小数点第2位は四捨五入

年収300万円の場合、借入金額は1,920万円〜2,880万円程度が目安となります。
ただし、年収300万円では返済負担率30%はあまり現実的ではありません。手取り金額を考慮すると、返済負担率20%を基準に考えるのが良いでしょう。


年収400万円の場合の借入シミュレーション

年収400万円のケースでの、借入金額および毎月・年間・合計の返済額シミュレーションは下記のとおりです。

返済負担率20% 返済負担率25% 返済負担率30%
借入金額 2,560万円 3,210万円 3,850万円
毎月返済額 6.7万円 8.3万円 10万円
年間返済額 80万円 100万円 120万円
総返済額 2,800万円 3,500万円 4,200万円
  • ※ 小数点第2位は四捨五入

年収400万円の場合、借入金額の目安は2,560万円〜3,850万円です。
手元の資金に余裕がない場合は、返済負担率20%〜25%を基準として考えるのをおすすめします。


年収500万円の場合の借入シミュレーション

年収500万円のケースでの、借入金額および毎月・年間・合計の返済額シミュレーションは下記のとおりです。

返済負担率20% 返済負担率25% 返済負担率30%
借入金額 3,210万円 4,010万円 4,810万円
毎月返済額 8.3万円 10.4万円 12.5万円
年間返済額 100万円 125万円 150万円
総返済額 3,500万円 4,375万円 5,250万円
  • ※ 小数点第2位は四捨五入

年収500万円の場合は、借入金額の目安は3,210万円〜4,810万円となります。総返済額は3,500万円〜5,250万円です。


年収600万円の場合の借入シミュレーション

年収600万円のケースでの、借入金額および毎月・年間・合計の返済額シミュレーションは下記のとおりです。

返済負担率20% 返済負担率25% 返済負担率30%
借入金額 3,852万円 4,810万円 5,770万円
毎月返済額 10万円 12.5万円 15万円
年間返済額 120万円 150万円 180万円
総返済額 4,200万円 5,250万円 6,300万円
  • ※ 小数点第2位は四捨五入

年収600万円の場合、借入金額の目安は3,850万円〜5,770万円となります。返済負担率が10%変わると、総返済額では2,000万円以上変わってきます。


年収800万円の場合の借入シミュレーション

年収800万円のケースでの、借入金額および毎月・年間・合計の返済額シミュレーションは下記のとおりです。

返済負担率20% 返済負担率25% 返済負担率30%
借入金額 5,130万円 6,420万円 7,700万円
毎月返済額 13.3万円 16.7万円 20万円
年間返済額 160万円 200万円 240万円
総返済額 5,600万円 7,000万円 8,400万円
  • ※ 小数点第2位は四捨五入

年収800万円の場合、借入金額の目安は5,130万円〜7,700万円です。家族構成や今後のライフプランによっては、返済負担率25%程度でもある程度余裕を持って返済できるでしょう。


年収1,000万円の場合の借入シミュレーション

年収1,000万円のケースでの、借入金額および毎月・年間・合計の返済額シミュレーションは下記のとおりです。

返済負担率20% 返済負担率25% 返済負担率30%
借入金額 6,420万円 8,020万円 9,630万円
毎月返済額 16.7万円 20.8万円 25万円
年間返済額 200万円 250万円 300万円
総返済額 7,000万円 8,750万円 10,500万円
  • ※ 小数点第2位は四捨五入

年収1,000万円の場合、借入金額の目安は6,420万円〜9,630万円です。借入金額が大きくなると、住宅ローンを組む際の諸費用も大きくなりやすい点に注意しましょう。


住宅ローンの借入シミュレーションをやってみよう

上記のように、返済負担率が5%違うだけでも、借入金額や総返済額には大きな違いが生まれます。また、適用金利や諸費用の金額、返済期間によっても毎月の返済負担は異なるため、自分のライフプランや家計に合わせた返済計画を立てるのが重要です。

希望の借入金額と借入期間から毎月の返済額を試算するためには、住宅ローン借入シミュレーションを利用してみましょう。

住宅ローン借入シミュレーションでは、借入金額や借入期間、金利、ボーナス返済額などを入力すると、毎月の返済額や総返済額のシミュレーション結果が簡単に確認できます。諸費用の目安についても確認できるので、実際に借り入れを行う際のイメージがつきやすいでしょう。

複数のシミュレーション結果を保存して、別の結果と比較して検討することも可能なので、いくつかのパターンで返済シミュレーションを行いながら返済計画を立てるのをおすすめします。


まとめ

住宅ローンの借入金額を決める際は、年収に対して毎年・毎月の返済額がどのくらいになるかを確認しましょう。
返済負担率の目安は25%以内と言われていますが、家族構成や金融資産、今後のライフプランなどによって適切な返済負担率は変わってきます。

本記事で紹介した内容を参考にしつつ、自分の収入や支出と住宅ローンの返済金額を照らし合わせて、無理なく生活できるかを考えてみるのをおすすめします。

「毎月の返済金額がどのくらいになるか知りたい」「返済期間や借入額を変えて複数のシミュレーションを行いたい」という方は、住宅ローン借入シミュレーションで具体的な金額を試算してみましょう。

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