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住宅ローンの保証料って何?不要な場合もあるの?

住宅ローンを借り入れする際にかかる諸費用のひとつに「保証料」があります。保証料は、借り入れする金融機関によって必要な場合と必要でない場合があります。住宅ローンを選ぶ際のポイントにもなるため、「保証料とはどんなものなのか」「保証料がかかる場合とかからない場合では何が違うか」についてしっかりと理解しましょう。

そこで、本記事では、住宅ローンの保証料の概要や、金額の決まり方などについて解説しつつ、保証料を支払わなくてもいいケースについても紹介します。住宅ローン契約時の諸費用を節約したい人は、ぜひ参考にしてください。


目次

  1. 住宅ローンの保証料とは?いつ使われるもの?
  2. 保証料を支払う=保証会社を利用するとはどういうことか
  3. 住宅ローンの繰り上げ返済をした場合、保証料は戻ってくる?
  4. 保証料なしの住宅ローンもある?

住宅ローンの保証料とは?いつ使われるもの?

  • 住宅ローンの保証料
    住宅ローンを契約する人が保証会社と保証契約を結ぶ際にかかる費用です。
  • 保証契約
    万が一住宅ローンの契約者が借り入れをした金融機関へ返済できなくなったときに、保証会社が住宅ローンの契約者に代わって住宅ローンの借入金を一括返済する(代位弁済)契約です。

住宅ローンを申し込むと金融機関は、申込者の返済能力に関する審査を行います。しかし、申込時点では問題なくても、数十年にわたる返済期間の間に何が起こるかは誰にもわかりません。例えば、失業や病気、災害などで収入が減ってしまい返済が難しくなる可能性もあります。

かつては、住宅ローンを借り入れする際は、万が一返済できなくなった場合のために連帯保証人を定めるのが一般的でした。しかし、数千万円という高額の住宅ローンの連帯保証人になってくれる人を探すのは大変です。そのため、近年は連帯保証人の代わりに金融機関が指定する「保証会社」を利用できることを融資条件とする金融機関が増えています。

保証会社を利用することで住宅ローンの申込者は、親族や知人、友人などへ連帯保証人の依頼をしなくてもよくなります。一方で保証会社との間で保証契約を結び、保証してもらう対価としてまとまった金額の保証料を支払わなければなりません。


保証料の支払い方「前払い型」

保証料の支払い方は、大きく2種類に分けられ、そのひとつが住宅ローンの契約時に保証料全額を一括で支払う「前払い型」です。金額は、保証会社によって異なりますが、一般的に借入期間や借入額、審査結果によって決められます。

通常、借入額が大きく、借入期間が長くなるほど、保証料も大きくなる仕組みです。住宅ローンを契約する金額によっては、数十万円~100万円近くになるケースもあります。このように、保証料はまとまったお金の準備が必要になりますが、一括で払ってしまえばその後の支払いは不要です。毎月の負担感を抑えたい人には「前払い型」が向いています。


保証料の支払い方「金利上乗せ型」

もうひとつの支払い方は、住宅ローンの金利に保証料を上乗せして、毎月の返済額に含めて支払う「金利上乗せ型」です。一般的には、0.2%程度の上乗せとする金融機関が多い傾向といえます。例えば、保証料なしの適用金利が0.5%の場合、金利上乗せ型では適用金利が0.7%(0.5%+保証料0.2%)となる仕組みです。

金利が上がってしまうため、毎月の返済額や完済までの返済総額が多くなってしまいます。契約時にまとまったお金を用意する必要がない点はメリットですが、毎月の支払いを抑えたい人にとっては負担増となるため、注意が必要です。


保証料を支払う=保証会社を利用するとはどういうことか

住宅ローンにかかる諸費用は、できるだけ抑えたいと考えている人は多いのではないでしょうか。ここからは、保証料を支払う、保証会社を利用するとはどのようなことなのか解説します。


保証料を支払う(保証会社を利用する)メリット

保証会社を利用することで、金融機関は万一の際に債務の弁済をうけることができます。債務者よりもむしろ金融機関にとってのメリットといえるかもしれません。それでも保証会社が付くことで、住宅ローン審査に通りやすくなったり、融資条件が緩和されたりする可能性があります。このように考えると住宅ローンを利用するうえで、保証会社を利用するメリットはありそうです。

万一の場合、金融機関への返済は代位弁済手続きを行うことで保証会社へ肩代わりしてもらえます。しかし、実は借入金自体がなくなるわけではありません。保証会社に対しては、肩代わりしてもらった分を返済し続けなくてはなりません。


住宅ローンの繰り上げ返済をした場合、保証料は戻ってくる?

ここまで解説したように、保証料は保証会社と保証契約を結ぶ際にかかる費用です。しかし、繰り上げ返済などで借入金自体がなくなってしまう場合、それまで払った保証料はどうなるのか気になる人もいるかもしれません。

結論からいえば、「前払い型」で支払った保証料は、多くの場合、住宅ローンの繰り上げ返済をすると「戻し保証料」として返還してもらうことが可能です。「前払い型」で支払う保証料の金額は、保証期間や保証額(借入額)に応じて決まります。

例えば、借入期間が35年であれば35年分の保証料を支払いますが、20年後に全額繰り上げ返済をすれば、保証会社はその後の保証をしなくてもよくなります。つまり、残り15年分の保証料が不要になるため、相応分を返還してもらえるのです。

一部繰り上げ返済で、保証額(借入残高)が変わる場合も同様です。実際には、保証会社所定の計算方法によって「戻し保証料」の金額が計算されるため、例えば上の例では必ずしも35年分と20年分の差額になるとは限りません。

また、保証会社によっては返還手数料および振込手数料が必要となる場合があるため、注意が必要です。それでも「保証料が戻る」ということを知っておくだけでも安心ですね。ただし、残存年数が短い場合や、一部繰り上げ返済額が少額で残債額に大きな変動がない場合などには戻し保証料が発生しない場合もあります。


保証料なしの住宅ローンもある?

保証会社の利用を融資条件とする金融機関が増えていることは前述した通りです。しかし、すべての金融機関が保証会社の利用を必要としているわけではなく、なかには保証会社を利用しない住宅ローンを取り扱う金融機関もあります。その場合は、保証料を支払う必要はありません。

住宅ローン契約諸費用を少しでも節約したい人は、保証会社の利用および保証料の支払いが不要な住宅ローンを選ぶのがおすすめです。

また、審査結果によっては連帯保証人が必要となる場合もあります。住宅ローンの申込条件や自分の過去の信用情報などは、事前に注意深くチェックしておきましょう。

なお、連帯保証人不要とする手段の一つとして、住宅ローンの申込時に収入合算を利用する方法もあります。収入合算とは、例えば夫が住宅ローンの申し込みおよび契約をする際に、妻の収入を合算して審査してもらう方法です。

収入合算者(この場合は妻)は連帯保証人になるため、別の誰かを探す必要はありません。2人分の収入を合わせることで審査にも通りやすくなりそうですね。


まとめ

住宅ローンの保証料は、万が一返済不能となったとき、保証会社が金融機関へ借入残金を払ってもらうための対価として支払う費用です。借入額や借入期間によっては数十万~100万円程度と高額になるケースもあります。

保証会社を利用することで住宅ローン審査に通りやすくなる可能性があります。ただし、保証会社を利用していても万が一の場合に借入金の支払い義務がなくなるわけではありません。

保証料が無駄に感じてしまう人であれば、保証料がかからない住宅ローンを選び、費用負担を抑えることを検討してはいかがでしょうか。

◆氏名
續 恵美子(つづき・えみこ)

◆保有資格
日本FP協会認定CFP(R)

◆プロフィール
生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指し退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金について伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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