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銀行からのお知らせ
住宅ローンを検討する際に、事前のシミュレーションはとても重要です。無理なく返済を続けるためにも、総返済額や月々の返済額の試算を前もって行いましょう。
今回の記事では、住宅ローンの金利タイプや返済方式の違いによる金利の計算方法や、具体的なシミュレーション方法を解説します。住宅ローンシミュレーションを行う際の注意点や、利息負担をなるべく抑えるためのポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
住宅ローンの金利とは
まずは、住宅ローンの金利タイプおよび金利の推移についてチェックしていきましょう。
金利タイプについて
住宅ローンの金利タイプは、以下の3つに分けられます。
- 変動金利
- 固定金利
- 固定金利(全期間固定)
変動金利は、すべての金利タイプの中で最も低く設定されやすいという特徴があります。半年に一度金利が見直されるため、世の中の金利の動向によって適用金利が変更される可能性があります。返済負担を抑えやすいものの、金利の動向によって返済額が変動するため、返済計画を立てにくい点には注意が必要です。
固定金利は、2年・5年・10年などの一定期間適用金利が固定される金利タイプです。変動金利に比べて、適用金利は高くなる傾向があります。固定金利期間中は、原則として金利の見直しができず、固定期間が終了したタイミングで「改めて固定金利を選ぶ」「変動金利を選ぶ」のどちらかを選択します。
固定金利(全期間固定)は、住宅ローンの契約から完済まで適用金利が一定のまま変わらない金利タイプです。完済までの金利が決まっているため、返済計画を立てやすい点がメリットと言えます。
金利の推移について
住宅ローン金利については、長期的に見ると低水準での推移が続いています。特に、変動金利については歴史的に低い水準となっており、0.2%台で借りられる金融機関も存在します。
しかし、2022年前半からは長期金利が上昇し始めたことを受けて、メガバンクを中心に固定金利タイプの基準金利の引き上げが徐々に行われるようになりました。
さらに、2023年10月に日銀が金融政策を修正したことを受けて、今後は変動金利を含めた住宅ローン金利の動向が注目されています。
金利の推移についての詳細は、下記の記事もチェックしてみてください。
金利の計算、シミュレーション方法について
住宅ローンを借りる際は、「総返済額」と「毎月の返済額」の2つに注目しましょう。ここでは、住宅ローンの総返済額や毎月の返済額について、計算方法を紹介します。
住宅ローンの総返済額の計算方法
住宅ローンを借りると、元本の返済義務に加えて、利息の支払い義務も発生します。例えば、5,000万円の住宅ローンを組む場合、5,000万円のみを返済するのではなく、元本に対して発生する利息も同時に支払っていく必要があります。
さらに、住宅ローンを借りる際は、金融機関に支払う手数料や保証料、登記関連費用などの諸費用も必要です。諸費用の金額は、借り入れる金額や金融機関によって、数十万円〜数百万円と大きく変わります。
したがって、住宅ローンの総返済額とは、借り入れた元本および借入期間や金利に応じた利息、諸費用を合計した金額です。
なお、「元利均等返済」「元金均等返済」のどちらの返済方法を選ぶかによって、元金の減り方が変わります。月々の支払利息は直前のローン残高に月利を掛けて計算されるため、返済方法によって総返済額も異なります。
総返済額に含まれる諸費用については、下記の記事でも詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
月々の住宅ローン返済額の計算方法
住宅ローンの月々の返済額は、元利均等返済か元金均等返済かによって変わります。
元利均等返済は、借入金利の見直しまで毎月一定額を返済していく返済方法です。毎月の返済額から利息を引いた金額が元金返済に充てられ、返済が進むにつれて元金の割合が増えていくという特徴があります。
元利均等返済の場合、月々の返済額は以下の計算式で計算できます。
毎月の返済額=月利×(1+月利)^総返済回数÷{(1+月利)^総返済回数-1}×借入額
元金均等返済は、借入金額を返済回数で割った元金部分とそれに対する利息を毎月返済していく返済方法です。金利が一定の場合は、返済が進むにつれて徐々に月々の返済額が減っていくという特徴があります。
元金均等返済の場合、月々の返済額は以下の計算式で求められます。
毎月の返済額=借入金額÷返済回数+直前のローン残高×月利
返済総額を求めるためには、上記の計算を毎月の返済ごとに行い、それらを足し合わせる必要があります。毎月の返済額や総返済額の計算は非常に複雑なので、表計算ソフトや金融電卓、シミュレーションサイトなどを利用するのが一般的です。
シミュレーションサイトの利用が簡単でおすすめ
住宅ローンの総返済額や月々の返済額を求める場合は、金融機関が提供するシミュレーションサイトの利用がおすすめです。借入額や返済期間、金利、返済方法などを入力するだけで、返済額が自動で計算されます。借入額や返済期間などの条件を変えたシミュレーションも簡単にできて便利です。
住宅ローンを比較検討する際は、ぜひシミュレーションサイトを利用してみましょう。
シミュレーションする上での注意点
シミュレーションの注意点を記載します。
住宅ローンの返済額シミュレーションを行う際は、注意したいポイントがいくつかあります。
返済負担率を考慮してシミュレーションを行う。
住宅ローンは返済が長期にわたるため、無理なく返せる範囲に返済額を設定するのが大事です。
適切な返済額の目安としては、「年間の住宅ローン返済額が年収に対してどのくらい割合を占めるか」をチェックしましょう。これを「返済負担率」といいます。一般的に、返済負担率は20%〜25%程度に抑えるのが良いと言われています。
例えば、年収600万円の場合、年間の返済額を120万円〜150万円程度に抑えれば、余裕をもって返済ができるでしょう。月々の返済額にすると10万円〜12.5万円程度です。
返済額を検討する際は、急な支出にも耐えられるように返済負担率を考慮した上でシミュレーションを行うのをおすすめします。
返済方式に注意する
住宅ローンの返済方法には、下記の2種類があります。先述の通り、返済方法によって元金の減り方が変わるため、総返済額にも影響します。
- 元利均等返済
- 元金均等返済
元利均等返済は、元金と利息を合計した毎月の返済額が完済まで変わらない返済方法です。毎月の返済額は一定ですが、返済金額に占める元金と利息の割合が徐々に変化します。元利均等返済では返済額が一定のため、将来の家計収支の見通しを立てやすくなるというメリットがあります。ただし、総返済額については元金均等返済に比べて多くなります。
元金均等返済は、元金を返済期間で均等に割って、残高に応じて利息を計算し、月々の返済額を算出する返済方法です。返済額は返済期間が経過するほど少なくなります。元利均等返済に比べて、総返済額を抑えやすいというメリットがありますが、返済開始当初の返済額が多くなる点に注意が必要です。
一般的には、返済計画を立てやすい元利均等返済が選ばれる傾向にありますが、自分の状況やニーズに応じて検討するのをおすすめします。
金利変動やライフイベントを考慮する。
将来の金利変動や予定しているライフイベントを考慮するのも重要です。
金利を抑えやすいのは変動金利タイプですが、将来の金利によっては適用金利が上昇して、返済負担が上がる可能性もあります。将来の金利変動や返済額の変更に対応できるかもしっかり確認しましょう。
さらに、長い人生の中では、子どもの教育費や車の買い替え、家のリフォームなど、まとまったお金が必要となる場面もあるでしょう。万が一に備えてお金を準備しつつ、無理なく返済を続けられる範囲で返済額を決めるのをおすすめします。
住宅ローン金利や総返済額をより低く抑えるためのポイント
住宅ローン金利をなるべく抑えたいという方は、以下のポイントに注意してみましょう。
住宅ローンの比較選定を行う
まずは、複数の金融機関の住宅ローン商品をよく比較しましょう。金融機関によって適用金利や契約の方法、諸費用などが異なるため、あらかじめしっかりと調べておくのが重要です。
また、返済負担を減らすという観点では、諸費用の大きさも見逃せません。金利の水準とともに、諸費用の金額もチェックするのをおすすめします。
頭金(自己資金)を用意した状態で申し込みを行う
住宅ローンを組む際に頭金を用意すると、低い金利が適用される場合があります。頭金を多く準備するほど借入金額が小さくなるため、審査にも有利に働きやすくなるためです。
加えて、頭金を入れるとその分返済総額も小さくなるため、月々の返済負担も抑えやすくなります。
借入期間を短くする
金利そのものが低くならなくても、借入期間を短くすることで利息負担を抑えることは可能です。
例えば、以下のケースにおいて、借入期間「35年」「30年」「25年」のそれぞれでシミュレーションしてみます。
- 借入額:3,000万円
- 金利:年0.5%(固定)
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス返済:なし
- ※ 借入にかかる諸費用は考慮しないものとします。
- ※ 下記のご返済額は単純比較であり、実際のご返済事例を示すものではありません。
借入期間35年 | 借入期間30年 | 借入期間25年 | |
---|---|---|---|
毎月返済額 | 77,875円 | 89,756円 | 106,400円 |
総返済額 | 32,707,560円 | 32,312,288円 | 31,920,142円 |
上記の通り、借入期間が短くなるとその分金利負担が小さくなり、結果として総返済額を抑えられます。ただし、毎月の返済額は大きくなるため、家計の支出を圧迫しないか注意が必要です。
まとめ
住宅ローンを借りるときは、返済額や返済期間、金利などさまざまな条件をもとにシミュレーションを行いましょう。金融機関によって条件が異なるため、いくつかのシミュレーション結果をもとに、自分に適した住宅ローン商品を選ぶことが重要です。
総費用や月々の返済額を計算するためには、金融機関が提供するシミュレーションツールの利用がおすすめです。希望条件を入力すると、総返済額や毎年・毎月の返済金額が自動で計算されます。
住信SBIネット銀行の住宅ローンシミュレーションでは、試算結果を保存して別の試算結果と比較できるため、複数の条件を比較検討する際に便利です。住宅ローンの検討をする際は、ぜひ活用してみてください。